ひこばえ
あるところに、ひとりの
「庭をつくる人」がおりました
草花をそだて、木によじのぼり
石をつみあげ、くる日もくる日も
庭をつくります
そんなちょっと変わった毎日が
彼はとてもすきでした
そしてある日、ふと思い立ちます
「この庭づくりのおもしろさを
街のみんなに伝えにいこう」
これは “小さき者たち” の物語
街の園芸部「ひこばえ」へようこそ。
この活動では「庭づくりのおもしろさ」をワークショップを通じて伝えていきます。

なぜワークショップなのか?

われわれの目的は、園芸がじょうずになることではありません。椅子にすわって勉強なんてするよりも、まず庭にはいります。草木や動物や土に素手でふれてみたり。うんと体をうごかして汗まみれになったり。

そんな生きた体験を通して、ふだん“都市的な暮らし”のなかで見落としてしまいがちなこと―ちっぽけで、いじらしくて、たいせつな何か―を、どうか庭のなかで見つけてもらえますように…

さしでがましいようですが、そんなきっかけをつくれたらとおもいました。

ここには、きゅうくつなルールもこむずかしい仕組みもありません。なんとなく、もくもくと、くりかえし、不定期でおこなわれている、ちいさなちいさな活動なのです。

※『ひこばえ』: 樹木や切り株の根本から生える新芽。「孫(ひこ)生え」の意。

これまでの活動

これからやりたいこと

あとがき

庭づくりのおもしろさって、いったいなんだろうか。それは、人間らしさを(いったん)脱いで身軽になれることだと、ぼくはおもう。

庭をつくる人は、もくもくと庭に向かっている。口先よりまず体がうごく。手足と五感をめいっぱい使って。ダンゴムシやスミレやヤブガラシと同じ目線に立つ。他人の視線は気にしない。ちゃんとしてなくていい。まるで「人間」じゃないみたい。

そう。庭の中ではみんな、“ちいさな生きもの”になることができる。「大人」も「立派」も「ヒューマニズム」もない。めいめい、勝手にやっている。この“率直さ”と“公正さ”が小気味よい。

ただ世間一般の常識からすると、この環境ってちょっとヘンだと思う(自覚あります)。ヘンだけど、自分がそうだったように、嵌る人も少なからずいるんじゃないだろうか。そんな一風変わった―それでいて社会にちょっと生きづらさを感じてるような―人たちが自由に出入りできる場をつくりたかったというのが、実は「ひこばえ」の、裏であり真のテーマだったりします。まだまだ始まったばかりのささやかな活動ですが、もし興味をもって頂けたら幸いです。

げべ たなか けん
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